甘酸っぱい彼
あの後、救急車が来て修と一緒に病院に行った。修は緊急治療室に連れて行かれて今、治療を受けている。あたしは待合室で一人、修に言われたことを思い出していた。

【相沢の事が・・・・・・好きだからだよ。】・・・って、あれは友達として?
それとも・・・・・・。あたしはどうしたらいい?
修のこと、好きになってもいいの?
でも、また昔みたいに彼氏に裏切られたら?

どうしても過去の辛い日々がよみがえり、あたしは悩まされていた。しばらくして、さっき電話で呼んだ桂太郎、祐介、香奈ちゃん、菜生ちゃんが来た。
「百季ちん! 修、大丈夫なん?」
「桜田美衣奈、逃げたんですって? 許せないわッ!」
桂太郎と祐介は息を切らして目を見開きながら言ってきた。あたしはこくりとうなずく。「桜田美衣奈、学校辞めるかもよ? ブログにもう更新されてる、ほら。」
香奈ちゃんはそう言うとあたしに携帯を見せてくれた。
{あたし、最低だ。一人の男が欲しくてその男が好きな女を殺そうとした。でも、愛には勝てない。もうあたしは離れることにする。お父さんの住んでる愛媛に・・・。}
あたしはなぜか胸が苦しくなった。

こんなにも修は愛されてたんだ・・・。

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