甘酸っぱい彼
しばらくの間みんなで修の治療が終わるのを待っていた。修のお母さんが走ってやってきた。修のお母さんはとても綺麗で修にそっくりだった。
「桂太郎君、祐介君、香奈ちゃん、菜生ちゃん。修の状態は?」
そうとう急いで来たのだろうか、修のお母さんは顔を真っ赤にしている。
「それは・・・、百季ちんに聞いてください。」
桂太郎はそう言うとあたしを見た。それにつられてそこにいた皆があたしを見る。
「百季ちん?」
修のお母さんは首を傾げて言った。
「あっ・・・、相沢百季です。修君のクラスメートです。」
オドオドしてあまりうまく言えなかった。どうしよう、すごい見られてる・・・。しばらくして修のお母さんは口を開いた。
「まさか・・・修の彼女ね!? よかったわぁ・・・。ようやくあの子も彼女ができたのね。」
それを聞いたあたしたちは口をあんぐりして立ち尽くした。その場が変な空気になり否定しようとした瞬間、治療室のドアが開いた。あたしたちは横になってる修の元に駆け寄った。
「修! 聞こえるか? 聞こえてたら返事せえや。」
修は一言も喋らない。体には包帯が巻かれていた。みんな暗い顔になり俯いた。
「・・・ったく。心配するほどでもねぇよ。」
いきなりの声にびっくりしたあたしは修を見た。修は腕を伸ばして伸びをしてる。

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