甘酸っぱい彼
第四章 鳴らない幸せの鐘
それでも好き
菜生ちゃんの言葉にみんなは俯いた。そうだ、修にはまだ美衣奈ちゃんの件がある。あたしだって向井君の誤解の件、それに誰にも言ってないけれど健斗にキスされてる・・・。お互いに気持ちが一緒だったことを喜べる場合じゃない。
「こう言っちゃうのは申し訳ないけれど、お互いに問題が解決してからね。お祝いは。」祐介は残念そうに言った。そこにいる皆が暗い面持ちだった。
「問題が何かは知らないけれど、その問題とやらが済んだらウチんちでお祝いしましょ。それまでお母さん、頑張って準備するわ。修、百季ちゃんを泣かしちゃダメよ?」
修のお母さんは何も問わずに優しくみんなを和ませてくれた。本当に素敵なお母さんだと思った。
次の日、修は身体の傷が浅かったので包帯を付けながら学校に来た。恥ずかしながら昨日カップルになったあたしたちは一緒に登校した。
「おっはよーん、お二人さんッ!どうや?カップルになった気分は。」
「ちょっと桂太郎、まだそれは大きな声で言っちゃいけないのよ?わかってるの?」
朝から桂太郎と祐介の会話を聞いてあたしはちょっとドキッとした。それはいろんな意味で。
教室に入ってあたしは教科書を机の中に入れていると向井君が近付いてきた。その姿に気づいた修と桂太郎と祐介の視線がこちらに向いている。
「おはよ、今平気?」
「う・・・うん。」
あたしは視線がすごく痛いのを感じながら答えた。
「じゃあ、ちょっと屋上まで付き合ってくれないか?」
「・・・わかった。」
あたしはそう言うと修たちを横目に向井君について言った。
「こう言っちゃうのは申し訳ないけれど、お互いに問題が解決してからね。お祝いは。」祐介は残念そうに言った。そこにいる皆が暗い面持ちだった。
「問題が何かは知らないけれど、その問題とやらが済んだらウチんちでお祝いしましょ。それまでお母さん、頑張って準備するわ。修、百季ちゃんを泣かしちゃダメよ?」
修のお母さんは何も問わずに優しくみんなを和ませてくれた。本当に素敵なお母さんだと思った。
次の日、修は身体の傷が浅かったので包帯を付けながら学校に来た。恥ずかしながら昨日カップルになったあたしたちは一緒に登校した。
「おっはよーん、お二人さんッ!どうや?カップルになった気分は。」
「ちょっと桂太郎、まだそれは大きな声で言っちゃいけないのよ?わかってるの?」
朝から桂太郎と祐介の会話を聞いてあたしはちょっとドキッとした。それはいろんな意味で。
教室に入ってあたしは教科書を机の中に入れていると向井君が近付いてきた。その姿に気づいた修と桂太郎と祐介の視線がこちらに向いている。
「おはよ、今平気?」
「う・・・うん。」
あたしは視線がすごく痛いのを感じながら答えた。
「じゃあ、ちょっと屋上まで付き合ってくれないか?」
「・・・わかった。」
あたしはそう言うと修たちを横目に向井君について言った。