甘酸っぱい彼
「本当に・・・ごめんなさい。あたし、向井君のことは友達としか思えない。・・・やっぱりあたしは修が好きなの。」

言えた・・・。考えるより先に口がうごいてた・・・。

「諦めないよ。」
「・・・っえ?」

ぽたりッ・・・

その時雨の滴が落ちてきた。
雨は次第に激しくなってく。
「俺、諦めないから。」
「諦めないって・・・?」
「相沢が修のこと好きでも絶対に振り向かせる。・・・風邪引くから早く中入れよ。」
向井君はそう言うと屋上から去って行った。

なんでこんなにあたしのことを・・・。

あたしは濡れた体を癒すように体を抱き、教室に戻った。
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