ただ「好き」って言いたくて。
はじまり、はじまり。
「体育祭、おつかれ。」
これがうちらのはじまり。
まぢパニクったし!!
ずっと遠くから見てるだけで良かった。
体育祭で、おんなじ部になれただけで大興奮。
そんなんだったのに、話しかけられた。
「あ、お疲れ様です…。」
頭ん中フィーバーで、結局答えられたのそんだけだった。

「で、どーだった?」
親友の莉衣に話すと、即刻質問の嵐。
「どーだった?っていわれても…
 ただ、すっごい優しかった。」
顔が赤くなってくのが自分でわかりすぎてハズい。
なんかもう好きすぎる。

「睦姫先輩!!うち、翔太先輩のこと好きかもです…。」
こんな嬉しいことがあった3日後、うちは先輩の女友達である白浜 睦姫先輩に話をした。
「え、そーなの??翔太はすごい優しいよ!!
 柚紗ちゃん目いいね!!協力するよ!!」
睦姫先輩という強力な仲間を手に入れて(笑、翔太先輩との接点ができた。
それからというものの、ことある毎に睦姫先輩はうちと翔太先輩に
話をさせようとめっちゃがんばってくれた。
例えば、ある日の掃除時間。
「あ!!柚紗ちゃんいいとこに来た!!
 これ、翔太に持っていってくんない??
 こんな大切なもんおいてくんだもん。アホだよね~!!」
そう言って渡された数枚の書類。うわッッ大切そう!!
持っていったときの先輩の顔、今でもすっごいよくおぼえてる。
「だった!!やっべ!!睦姫に殺されるとこだったよ。
 まぢありがとね、柚紗ちゃん!!」
一瞬超焦った顔して、すぐ笑顔になった。
ってか名前おぼえてくれてたんだ!!
そこに感動して、
「いえッッでは…」
で走って清掃場所行っちゃったよ…。
もっとしゃべれば良かった。
って莉衣に言ったらすっげぇ怒られた。
「アホじゃない?!焦ってしゃべれないとかだめだよ!!」
はい。おっしゃる通りです。
この機会を与えてくれた睦姫先輩にもがっつり説教されて、

うちの恋の、はじまり、はじまり。
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