ただ「好き」って言いたくて。
「もしよければ、」
「柚紗、もう告れば。」
あんなにがんばってくれてんのに一向にくっつく気配のないうちらに疲れたのか、睦姫先輩がそう言ってきた。
「え?!無理!!振られんのわかってんのにそれは無理ですよ!!」
反抗するうちに
「今まで協力してやってんのに一向に変化がないのは誰のせいかなぁ??」
睦姫先輩が脅迫。
んなこと言われましても…悩むうちの目のまえに、一枚のピンクの便せんが置かれた。
「後で来るからそれまでに書いててね♪」
うちに反論するひまを与えずに、とっとと教室にもどってく睦姫先輩の後ろ姿をみつめ、自分の置かれた状況を理解した。
「書かなきゃだめ、かなぁ…。」
なかなかノリ気じゃないものの、睦姫先輩に怒られないように、1文字1文字丁寧に文字を綴っていく。

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