プラネタリウム
第1章

ハル

大学に行く気なんかさらさらなかった。
よく出来た兄貴が行って、親も高校の先生も行けって言うから入った。そんな程度。

だから、ここでこんなにも切ない経験をするなんて、考えてもみなかったんだ。

今まで言葉にできなかった。ならなかった。

けど、今、俺は俺の使命だと思って、ここに書きたい。

たぶん、俺の予想では、君はくしゃっと顔を歪ませて嫌がるだろうけど。

花野、かの。

今でも俺は、はっきりと君を覚えてる。
< 1 / 3 >

この作品をシェア

pagetop