いちごのひみつ
「師匠、飲み過ぎですよ」


「いいからお風呂。あとお水……」


「アトリエで絵描いてたんじゃなかったんですか?」


わたしは師匠のアトリエの隣に建つ


山小屋に住まわせて貰いながら


この呑んだくれ師匠の弟子として


絵の勉強をしている。


「描いたわよ。でも水分補給は必要でしょう?」


「師匠、ウィスキーはお水じゃありません」


倒れ込みそうな師匠の体を支えながら山小屋に戻ると


携帯電話のライトが不在着信を知らせていた。
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