あなたと見たステキな夢
~放課後~

「由美!...」

一緒に居るのは、相葉だ。

「由美!」

「和!」

何を楽しそうに、話してんだよ!

「行くぞ、由美!」

「ちょっと、待ってよ!ねぇ!離して!!和!」

何で、嫌がる?

何でだよ。

そんなに、オレが嫌いかよ。

相葉の方が、

オレより好きなのかよ!

「ねえ!和何なの?」

「え。あ。ゴメン。」

つい、由美の嫌がることしてしまった。

「あのさ、由美。由美がさっき、言ったキスのこと。よく意味がわかんないんだけど。」

「意味がわかんないって何?こっちの方がわかんない。何なの?」

怒ってる。

何で怒ってる?

「昨日は、瑞希に、今、中学生の弟の事相談されて。」

「で?昨日、学校で、告白されてたの、見たんだよ?公園でも、キスされてたジャン!」

キスなんかしてないよ。

もしかして。

「あのさ、昨日、オレの髪の毛に、美術のときに使った絵の具が、付いてて、それを

取ってくれてた時、たまたま、由美が見かけたときにのことかな?」

「はぁ?」

多分そうだ。

オレは、キスなんかしない。

「瑞希は、オレの髪についてた絵の具を取ってくれただけ。それだけ」

「それだけ?」

疑ってんの?

「本当に?」

確かに顔は近くてびっくりしたけど。

「本当だよ。顔は、確かに近かったけどさ。キスなんか、しないよ。」

「本当?」

由美の瞳が、

キラキラ光ってる。

「本当だよ。由美のことが好きなのに、そんなことすると思う?」

「和ー」

由美は、オレに飛びついてきた。


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