Impression~心の声
2回目のログインは丁度最初のログインから一週間目のことだった。彼がもう一度私のところに会いに来てくれたのは・・・。
いさむ「元気だったかな?」
 彼の声で私の気持ちに花が咲いたようだった。
香織 「うん。元気だった。声を聞きたかったよ。」
 思えばこんな言葉、私は誰にでも言っていた。
 会いにきてくれてありがとう。会いたかったよ。
自分の言葉が軽く感じた。私が今いさむに言う言葉が真実であるはずなのに、どうでもいい人間に使い過ぎた言葉は抜け殻のように、その価値を失っていた。
いさむ「ありがとう。」
 こんな抜け殻の言葉を信じてくれる、いさむがいとおしかった。
香織 「私、琉球ガラスについて調べたの。写真も見たよ、すっごく綺麗だった。」
 私は何よりこのことをいさむに伝えたかった。
いさむ「ほんとかい?よかった、出来れば本物を見て欲しいくらいだよ。」
香織 「ね、また聞かせてガラスの話。」
いさむ「好きかい?ガラスの話。」
香織 「うん。大好き。」
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