Impression~心の声
だけど私はすぐに解った。ロビーの端のガラス張りの大きな窓の片隅にオレンジ色の帽子が見えた。彼もこっちに気付いているようだった。私たちはお互いに歩み寄った。
帽子のひさしからはほとんど顔は窺えなかったけれど、背が高く線の細いシルエットは少し特別なオーラを持っているような気さえした。白のTシャツに色の抜けたGパン。だけど遠くから見ても悪い印象は全くしなかった。私は彼を目で追うのに夢中だった。周りの人も気にならなかった。網の目のような不規則な人の波の流れを掻い潜り私たちは着実にお互いの距離を縮めて行った。
だけど後数メートルというところで私は何か違和感を覚えた。火傷跡?Tシャツの彼の右の肩のすそから、肌の色の違う傷が見えた。驚かせるってこのこと?そう思いながら私は勇との距離を縮める、人の肩にぶつかったって私は気にならなかった。しかし近づくと火傷のあとが腕、肩だけではないと解った。彼の右の首筋も同じようにあとがあった。
私たちはやっと会えた。私はそのとき恥ずかしくなりうつむいた。いよいよ勇の顔が見れるって。
「美鈴ちゃんだよね。すぐに解ったよ。」
まぎれも無くその声は勇のものだった。初めて機械を通さず聞く彼の声に私の胸は強く鼓動した。
「うん。」
私は頷き、ゆっくりと顔を上げた。
その瞬間、私は衝撃を受けた。
彼は顔のほとんどの範囲にも火傷を負っていた。
そのあとは痛々しく、深く彼の表情を奪い去っていた。
嘘でしょ、、、。
「ごめんね、気持ち悪いかい?一緒にいたくないようなら、どこか近くのホテルも取れるよ、気はつかわなくていい。」
私は微かに横に首を振った。そうすることが精一杯だった。
「なんだか、ショック受けさせちゃったかな。」
私は何も言葉が出なかった。
帽子のひさしからはほとんど顔は窺えなかったけれど、背が高く線の細いシルエットは少し特別なオーラを持っているような気さえした。白のTシャツに色の抜けたGパン。だけど遠くから見ても悪い印象は全くしなかった。私は彼を目で追うのに夢中だった。周りの人も気にならなかった。網の目のような不規則な人の波の流れを掻い潜り私たちは着実にお互いの距離を縮めて行った。
だけど後数メートルというところで私は何か違和感を覚えた。火傷跡?Tシャツの彼の右の肩のすそから、肌の色の違う傷が見えた。驚かせるってこのこと?そう思いながら私は勇との距離を縮める、人の肩にぶつかったって私は気にならなかった。しかし近づくと火傷のあとが腕、肩だけではないと解った。彼の右の首筋も同じようにあとがあった。
私たちはやっと会えた。私はそのとき恥ずかしくなりうつむいた。いよいよ勇の顔が見れるって。
「美鈴ちゃんだよね。すぐに解ったよ。」
まぎれも無くその声は勇のものだった。初めて機械を通さず聞く彼の声に私の胸は強く鼓動した。
「うん。」
私は頷き、ゆっくりと顔を上げた。
その瞬間、私は衝撃を受けた。
彼は顔のほとんどの範囲にも火傷を負っていた。
そのあとは痛々しく、深く彼の表情を奪い去っていた。
嘘でしょ、、、。
「ごめんね、気持ち悪いかい?一緒にいたくないようなら、どこか近くのホテルも取れるよ、気はつかわなくていい。」
私は微かに横に首を振った。そうすることが精一杯だった。
「なんだか、ショック受けさせちゃったかな。」
私は何も言葉が出なかった。