Impression~心の声
勇はすぐにそれに気付いた。
「なんでもない、長く飛行機に乗ってなんだか疲れちゃったみたい。」
 ごめんね、、、。
私は心の中でそうつぶやいた、言えないよ、本当のことなんて。
食事の後、勇は私に寝床を用意してくれた。勇は奥の物置で寝るといい部屋を後にした。
柔らかなベッド。シャワーを浴び私は床に就いた。
何も考えは浮かばなかった。
静に目を閉じただけだった。
知らないベッドで寝るというのになぜか私はすぐに寝付いた。
どこかで安心し、安らげた、全てはこのガラスたちのせいなのだろうか。私は深い眠りに落ちた。
 朝目を覚ますと、勇は隣の作業場で作業を始めていた。音のするほうへ私は歩み寄った。
 勇はバーナーでガラスを溶かし何かの作品を作っていた。私はその作業が一息つくのを見計らい勇むに声を掛けた。
「おはよう。」
 勇は俯きながら私の気配を感じ取るぐらい軽くこっちを振り向き私に答えた。
「おはよう、良く眠れたかな?お腹は空いたかい?」
 そう言って彼は手元の道具を脇へと寄せた。そのまま立ち上がると彼は朝ごはんを食べようと私に言った。
「この特等席で、お姫様は待っていて。」
 昨日と同じ席に私を座らせると、勇はキッチンへと向かった。私は昨日机に置いたままにした勇から貰ったガラスのトンボ玉をまた手に取った。東の窓から差し込む朝日にかざすと、昨日とは全く別の宝石のようにそれは輝いた。その水色の宝石に心が吸い込まれてしまいそうだった。
 ふと周りを見渡すと、オレンジのランプの光とは全く違い、青く透き通る朝日に照らされたガラスたちも目を覚ましたかのように自分たちの色を、個性を各々が強調するように美しく光を自分の物にしていた。
「お待たせ。」
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