Impression~心の声
もう、、捨ててしまおう、、。
そんなプライド、、。
今の私の気持ちは明確だった。この気持ちを真実を勇に伝えたいと思った。
 気持ちを伝えるすべは一体いくつ存在するのだろう。手紙を書いたり、電話をかけたり、メールや電報を打ったり。
 私は想像した一番納得できて、一番気持ちの伝わる方法は?
 会って直接話したい。私は手紙を胸に強く押し当てた、どうか私に勇気をください。
 きっと今度会う時はもっと素直に沢山笑える、、。
 きっと素直に大切だって言える、、。
 いつも一緒に白い砂浜を歩いてゆける、、。
 旅立ったのは、一ヵ月後の良く晴れたとても暑い日だった。その時の私は大切な人を求め、まるで地球の反対側まで会いにゆくような気持ちだった。    
私は飛行機の中で、あの手紙を何度も読んだ。私を好きだといってくれた勇。
 再び現れた私を勇はどう思うんだろう。私は手帳を開きあの時勇が打ち込んだ住所を確認した。いてもたってもいられない気持ちの波は私を大きく飲み込んでいった。飛行機を降りゲートを抜ける。あの日あの時私はここで勇と始めて出会った。あの時の出来事全てが鮮明に思い出され、あの日の私たちがそこにいるかのようだった。
 私はタクシーに乗り込み、運転手に住所を告げた。そしてゆっくりと深く背もたれに身をゆだねた。
もうすぐだ。
ふと車窓を眺めると、青々とした海に浮かぶ島々が流れていた。それは何度見ても美しい景色だった。 
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