堕天使フィソロフィー

迷走

寒くなり始めた。
部活はプール閉めをみんなでした。

泳げなくなった水泳部は
筋トレやドッヂボールで体力をつけた。

日が短くなった事で部活の時間も早く終わり、

家に帰るのも早くなった。

宿題をやり、塾の勉強をし、
隠れて煙草を吸いながら
ネットをやっていた。
唯一の友人のリョーコが教えてくれたサイトは、小中学生向けの、バーチャルタウンだった。

今もあるが、もうやれる程私はガキじゃない。

あの頃はmixiやモバゲーなんてSNSはまだなかった。

バーチャルとアニメ。それが居場所となり、本音を吐き出せる処となった。

中学二年生あたりから、トランスに加え、L'Arc~en~Cielから入り、
雅-Miyavi-や
アンティック-珈琲店-を聴くようになった。
ヴィジュアル系との出逢いだった。
SHOXXやCUREは毎月欠かさず買った。
ファッション雑誌はRanzukiとKERAを買っていた気がする。

アンティック-珈琲店-のギターの坊君が好きで、
学校も家も厳しく髪は染められない為、コンタクトをディファインにして、ストパーをかけ
必死にアシンメトリーに前髪を切り
耳上の髪を二つにちょこんと結んでいた。


ライヴはどうしても行かせてもらえなかったから、開店前からライカエジソンに並び、インストアイベントの為のチケットを貰った。

メンバーに会えるだけで幸せだった。

ネットで音源を拾い、mp3に変換してプレイヤーに落としていた。

少ないおこづかいだったけれど、楽しかった。

虐められ仲間の
エミコはthe GazettE本命、私とリョーコはアンカフェ担当だった。

バーチャルタウンに使うアイコンやリンクをメンバーの画像で作ってもらい、タウンの攻略も上手くなった。

その頃、大阪のゆりかと名古屋のまきちに出会った。

二人とも虐めを経験していて、
V系に詳しかったからすぐに仲良くなれた。
会いにいけなくても、大切な親友だった。

たまに家電同士で電話したり、大体毎日メールした。

3つ年下のアユムとも出会った。
ラルクが好きだったアユムにアンカフェを教え、バンギャルにした(笑)

この3人とは未だに連絡をとっている。

今でも大切な親友だ。



でも楽しみは辛さに勝てなかった。
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