堕天使フィソロフィー

何週間か会ううちに状況が少しずつ変わっていった。

『今週末も会える?』
「でも、俺金ないよ?給料日前田し」

あいたい。

ホテル代もタクシー代もネタ代も
あたしが出すようになった。

あたしにはタクヤしか見えなかったから、
タクヤがその時の生きる希望だったから、

財布を出すことがおかしいと思わなかった。

タクヤに会うのは大体、17:00頃。

すぐホテルに入りたがるから、まずは休憩。
その後、宿泊料金追加。

二人で時間を忘れて絡み合って延長料金追加。

+ネタ代。

一回会うごとに5万は消えた。

それで2泊3日ホテルはしごなんてするから10万もすぐに飛ぶ。


『『まあシャブ中は皆金ねぇーよな』』


その時はそう考えていた。


タクヤの本当の顔も知らずに。




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