堕天使フィソロフィー
熱も下がり、まともに食事も摂るようになった頃に
保護観察所から、あたしを調べる監察官がやってきた。

携帯もPCの通信も全て調べあげられ、何処まで覚えているのかいわゆる

「正気だったのか、解離していたのか」

そこのところを何度も何度も
『『覚えてないって言ってるじゃん…』』

ない記憶やスライド写真のようにしか朧げにしかないのに、

「記憶がないなんて、おかしい。信じられない」

とでも言うように、あたしの心にづかづかと監察官は入り込んできた。

それが苦痛で仕方なかった。





自分が犯した罪をまだ

あたしは認められなかった。


< 146 / 257 >

この作品をシェア

pagetop