堕天使フィソロフィー
体育祭の日。
家族も観に来た。

運動会も中学生ぶりだったし、楽しかったけれど思い出せない程
些細な理由でものすごく言い争いになったのを覚えている。

あたしは泣きすぎて過呼吸になり、寮長の先生に宥められた。

楽しかったけれど、色々あり体育祭は終わった。


数日後。

医療少年院での成績が良好という事で、あたしは
一般少年院送致になった。

「神谷さん、一般少年院は休みたい時に今までみたいに休むことも出来ないし日課も大変だよ」

『あたし、そんな処でやっていけますかね?」

「でも、一般に行けば10ヶ月だから」

『一年じゃなくて帰られる可能性があるって事ですか先生?』

「そうだね。でも日課も課題も当番もあるから、慣れるまでは辛いかもしれないけれど」



行きたくない。
でも早く帰りたい。

両方の気持ちが鬩ぎ合った。

でも一般少年院送致は、審判の時点で決められた事。

抗うことは出来ない。




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