堕天使フィソロフィー
激痛で、目が覚めた。
1~2分だけど、眠っていたらしい。

『う…』

子宮の中を抉り出される感覚に思わず嗚咽が出る。
刺すとか切るとかじゃなく、肉体を書き出されるような今までに味わったことのない痛み。

意識を取り戻したあたしに先生が気付いて

『レイちゃん、すぐに終わるからね。頑張って』

でも瞬間的にその言葉が脳で、変換された。

『『今、空が死んでいっているんだ。この子と引き離されるんだ』』

そう思ったら、痛いなんて言えなかった。

ただただ獣のような嗚咽が漏れた。


脂汗をかいてぐったりしたあたしは、ベッドに寝かされた。

勿論、一睡も出来なかった。

母親が迎えに来て家に帰った。

そこから数日どうやって過ごしたのかは覚えていない。

きっと記憶が抹消したいんだと思う。


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