堕天使フィソロフィー
前に友達に貰ったドレスを纏って、

店内に入るとギラギラした雰囲気の中

一瞬女の子達の眼があたしに注がれる。


『『怖ぇ…』』


正直、女同士で群れるのは得意じゃない。

連携プレーが苦手で水商売に踏み出せなかったのもある。

でもやると決めたからにはやりたい。

そんな葛藤が既に芽生えた。

緊張したぎこちない声が思わず、喉から溢れた。

『今日から入りました。レンです。よろしくお願いします』

自分の声の硬さに、苦笑いしそうだった。

「なんさーい?」

金髪の巻き髪が、水商売独特の馬鹿そうなイントネーションで聞いてきた。

『20歳です』

一緒じゃーんと言ってそこから隣の女の子とぎゃーぎゃーやっていた。





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