堕天使フィソロフィー
トモヒロとのメールは続いていた。
学校を変わる事も話してあった。
「長い夏休み、デートでもしますか☆」
そう言われた。
ちゃんとしたデートなんて初めてて、正直焦った。
持ってる服の中で
『『一番可愛いかな…』』
と思うワンピを来て、
真夏の日、二人で水族館に行った。
待ち合わせで緊張した。
ポンパに盛って(黒髪で)
ロングの髪を内巻きに巻いた。
その頃のお気に入りの香水は
NINA RICCI の リヴェルドリッチ2 で
毎日つけていた。
トモヒロは大して美形という訳でもなく、
むしろパンピ(一般ピーポーね)
にしか見えなかった。
水族館は癒された。
幼い頃から、
『自分は人魚だったんじゃないか』と
真剣に考えているような子供だったから
海の中の生き物が大好きだった。
回遊魚も
タツノオトシゴも
イルカも
スナメリも
みんなみんな
愛おしかった。
二人でプリンパフェを食べながら話した。
『会ってみてどうだった?』
「若いなと思った」
『トモくんだって若いじゃん』
「いやーおっさんだよ。あ、今度ライブおいでよ」
『何処?』
「ホリデー」
ああ、ホリデーねと思いながら次のライブで行ってみようと思った。