堕天使フィソロフィー
『ちょっとミオ何してんの?』

めんどくさいことになりそうだから、電話を取り上げようとしたんだけど

間に合わなかった。


「あーヒカル?俺。施設の時一緒だったミオ」

『もー何やってんだよこの酔っ払い!』


ミオはそしらぬ顔して電話を続けている。

仕方なくまた、ウィスキーを呑み出すと電話を突きつけられた。

何?と表情で聞くと

「ヒカルが変わってだって」

ほら来た…

「もしもし?レイちぇる?ねぇ何でそこにヒカルがいるの?関西の友達に会いに行くって言ってなかった?何で?」


予想通りの質問攻め。急に息が苦しくなって鼓動が早くなる。


『あの…ね、友達にあったんだけど、急にミオに呼ばれてね』

「何で会いに行くの?友達はどうしたの?何でこんな時間にミオの家にいるの?おかしいだろ」

普段は口調の穏やかなヒカルがみるみる変わっていく。

気がついたら涙で頬が濡れていた。


呼吸が、早くなる。






< 221 / 257 >

この作品をシェア

pagetop