堕天使フィソロフィー
『ごめん…』

携帯の向こうから、止まることなく溢れ出すヒカルの罵詈雑言。

どんどんあたしの泣き声は嗚咽に近くなっていった。

「何で泣いてんの?泣いてても質問には答えられるでしょ?何で黙るの?」

過呼吸に肩で息をするあたしを見かねて、ミオが電話を変わった。

「お前いい加減にしろよ。レイがああなるのお前だって知ってるだろーがよぉ!」

座っているのも辛くなって、ベッドに顔を埋めた。

一向にあたしの呼吸は戻らない。
電話越しにミオはヒカルに怒鳴っていたけど、側に来て背中を擦ってくれた。


『…ごめん…ごめん』


どうしてあたしは何時も追い詰められると謝ることしか出来ないんだろう。

謝ったって何も戻りはしないのに。

でも他に言葉が見つからない。


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