堕天使フィソロフィー
結局、一時間近くミオとヒカルの口論は続き

その間泣き止む事は出来なかった。

「もういい。今から行くから」

そう言ってヒカルは電話をガチャ切りした。

『ヒカル、こっちに来るの?』

「そうみたいだな」

都内から車でどれくらいかかるんだろう。

ヒカルがこの場に来れば口だけで収まる筈がない。

ヒカルだってミオだって、血の気が多いんだから。

ミオはあたしの肩を抱き寄せながら、
何時まで経っても泣き止まないあたしに大丈夫だからなと言ってくれた。

少しだけ、安堵の光が灯った気がした。

それから浴びる程酒を呑み、二人でヒカルが来るのを待った。



来なければいいのに
途中でガス欠にでもなればいいのに


そう願った。


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