堕天使フィソロフィー
あたしは新宿に戻って仕事を続けた。

実家は外れの田舎町だから、特急に乗っても新宿までは1時間弱かかる。

帰りは送迎。ボーイにはヒカルの車は嫌と言ったから、乗らないで済んだ。

ただ一週間、一人暮らしとミオに会うの為に働いて貰える給料の殆どを貯金した。

毎日同じ事の繰り返しだったけど、特に鬱にもならなかったし嫌だとも思わなかった。

客に言われる嫌みや下心丸出しのにやついた顔も受け流せるスルースキルを身につけた。

これは人間じゃない、欲の塊の性能の悪いロボットだと自分に暗示をかければ

なんとも思わなかった。

一週間頑張ったら新幹線に飛び乗ってミオに会いに行く。


ミオには感情が出せる気がした。



< 228 / 257 >

この作品をシェア

pagetop