堕天使フィソロフィー

母だ。

『起きてるよ』

「今日仕事は?」

『行きたくない。つーか行ける自信ない』

「休むならマネージャーさんに連絡しなさいよ」

あたしが水商売を始めてから、仕事は大人としての自己責任。

精神科の診断書は渡してあったから、渋々ながらもマネージャーは休みを2日もくれた。

何しよう。ここのところ仕事しかしてない。

ミオに会えるまではまだ日にちが長過ぎる。

ただひたすらに寂しくて、独り片田舎に取り残されている自分が惨めで一層、鬱の波は激しくなるばかりだった。

カーテンの向こう、窓の外。

今日も35℃越えるのかな…なんて考えながらパソコンを起動した。
溜まっていたアニメと本をひたすら消化する。

ポケパラの日記だけ書いて、いい加減シャワーを浴びようと部屋を出た。

家の外壁に大量の蝉が貼り付いているんじゃないかと言う程、部屋のドアを開けた瞬間に鳴き声が大きさを増す。

今年も海には行けそうにないな…心の中でぼやきながら、シャワーを浴びた。





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