堕天使フィソロフィー

被航

でも、そんな関係も2カ月くらいで幕を閉じた。正確にはあたしが無理矢理自分の恋愛劇場から、幕を引きづり落とした方が正しいかもしれない。

その頃、あたしには友達の紹介で、仲良くしてるバンドマンがいた。
名前はシオン。
彼は大阪に住んでいてV系バンドのドラムとバーテンをしているそうだった。

二人とも、夜型人間だったし暇な時はよくskypeした。異性として意識していたわけじゃないけど、段々生活の中でシオンが占める時間が増えていった。

名古屋と大阪。
東名阪の不思議な三角形。シオン、レイ、アユム。

今、あたしが好きな男は一体誰なんだろう。

夏が過ぎて、秋の風の香りがし始めた10月。

リュウとシオンに会いに、大阪に行くことにした。
リュウも何故か大阪に引っ越していたのだ。
リュウに会うのは一年ぶりだった。
人生で一番付き合った人だし、家族ぐるみの付き合いだったこともあって、リュウとは連絡を取り合っていた。

もうすぐリュウに会える。
シオンに会うのも楽しみだけど、正直リュウに会うおまけでしかなかった。

仕事明けの昼、二泊三日ぶんの荷物もトランクに詰めて新幹線に乗った。

リュウは変わっただろうか。写メでは最近のリュウを見ているけど、やっぱり顔が見れるのは嬉しかった。

大阪か…たこ焼きと吉本とお好み焼きと道頓堀くらいしか思い浮かばない。

まあいいか。


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