堕天使フィソロフィー
大阪に着いたのは日が暮れる前の夕方。名古屋に比べれば、大阪は遠い。

途中新幹線の中で、リュウにメールを入れた。

『もうすぐ着くよ。久しぶりに会えるね』

「新大阪まで迎えに行くよ」

改札を出て、そのメールの着信時間を見直して顔を上げると目の前にリュウがいた。

懐かしい彼の笑顔に思わず頬が弛む。

『久しぶり』

「元気そうじゃん」

他愛もない事を話ながら、リュウの後に着いていった。
リュウの家は新大阪から数駅の場所。数回しか大阪に来たことないあたしには、新大阪からの距離感が全く分からない。

ブラブラと歩き、沢山あるお好み焼き屋さんの中からリュウの行き付けだと言うお店に入り、二人でお好み焼きとモダン焼きをつっついた。

リュウの笑顔もリュウと呑むお酒の味も、一年前に戻ったんじゃないかと思うくらい変わっていなかった。

それが嬉しくて『あたしたち別れなければ良かったね』とつい口が滑ってしまいそうだった。

相変わらず彼は優しかったし、放っておけないところもそのままだった。


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