堕天使フィソロフィー

「休憩時間終わりです!掃除をしましょう!」

とアナウンスが入ると、
急いで箒を取り、部屋の掃除を始める。

髪の毛一本落ちていないように。
何処も埃を被っていないように。

心は常に怯えていたけど
その時やる事に集中していれば、罪悪感をなんとか押し殺せた。



先生達がきちんと掃除が出来ているか、確認にくる。

それまでは「ありのままの私」というのを入ってすぐ記入させられた。

それを書いていた。


最初のうちは、布団の畳み方が間違っているとか
棚の中が汚いとか沢山注意された。

『はい』
『すみませんでした』
『気をつけます』

こればかりを繰り返していた気がする。


もうこれ以上怒られたくなかった。

自分が罪人なのは

分かっていたから…





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