堕天使フィソロフィー

「神谷ー!面会!」

すぐに両親だと悟った。

『『どの面下げて会いに行きゃいいんだよ…』』
と言う気持ちと


『『謝らなきゃ謝らなきゃ見放される』』

両方の気持ちがせめぎ合った。

頭の混乱は醒めぬ内に、
面会室に両親は入ってきた。


眼が合った瞬間、両親の目から涙が零れた。

「心配したんだよレイ…っ…どれだけ心配したか…あの日1日レミちゃん泊まったら帰ってくると思ったのに…っ!」


『…ごめんなさい…っ!何も言わないままこんな風になって…迷惑かけてごめんなさい…っ』

その後、幾つか言葉を交わしたけど、

両親の
「また会いにくるからね」

しか今はもう思い出せない。



ちゃんとして家に帰ろう。


そう思えた。


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