堕天使フィソロフィー
生活は安定していた。


学校の出席簿に円だけつける。

週2、3回パトロン的な人がデートしてくれる。

20:00までデリヘル。
待機の事務所が嫌いだったから、青山や新宿にいた。


『ネイルモデルになった』と親に行って

スカルプをつけるようになった。

ブロンドロングのぱっつんで、格好は姫系。


いじめられてた頃とは見違えるような自分。

化粧も上手くなった。


自分が少しだけ、好きになれた気がした。


たまに原宿に行って、
バイトで家にいない
ヤマトの部屋の家事をしたり…

充実していた気がする。

ヤマトは気弱で優しいけど、人見知り。

元麺(元バンドマンね)だけど、線が細い訳じゃない。



シャブがないときは、
制汗スプレーや
ガスライターのガスを吸って飛んだ。


トリップ時間はせいぜい2、3分。


あたしにしか見えない世界があり、
良く『ガスの国の住人』と呼んでいた。


今考えると怖い。
ちなみにガスは乱用すると、脳に影響があるらしい。

やめとけ。



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