堕天使フィソロフィー
ヤマトがバイトを辞めた。
バイト先の雰囲気に馴染めなかったらしい。
その時は
『焦らずまた探せばいいよ』
と言ったけど、
今のあたしから
言わせてみれば32でフリーターというのも世の中なめてると思う。
今のあたしは向上心のない人間は嫌いだ。
店を変わってから、売り上げは随分上がった。
昼番だけですぐにNo.2になった。
ネタを買う。
服を買う。
CDを買う。
あたしの方が儲けるようになってから、ヤマトがあたしに頼りだした。
「レイさん…今月厳しいんだよ…3万貸して」
いつの間にか、デート代は全部あたしが出していた。
また頑張ってくれるって
貸したお金はちゃんと返してくれるって
そう信じていた。