ずっと君の隣で。
(こんな夜に誰…?)
不思議に思いながらもペースを落とさないように足を動かす。
調子のいい走りを止めたくなかった。
でも…止めざるを得なかった。
「…ッ!」
黒い影はやがて人の形になり走る人の姿になる。
時計を確認すると、夜の10時半。
タッタッタッタッタッタッ
その人は、私と同じ歩幅で同じリズムで走ってくる。
(キレイ…)
私は思わずそのランニングフォームに見とれていた。
左右に揺れない重心、肩。
しっかり振られる腕。
きれいな形をした足がアスファルトを蹴る。
かかとから足をつき、つま先でける。
(誰なの…?)
通る瞬間私は顔を上げた。