ねぇ、先生。愛って何ですか?




嘘だもん。嘘だよね、先生。





信じられなくて、だけど心のどこかでやっぱりって思ってる自分もいて…




頭の中も、心の中もぐちゃぐちゃで、とにかく先生に会わなきゃって足が進んでた。




いつもいる数学準備室の前。




ね、先生。ありえないだろっていつもみたいに笑ってくれるよね?




ドアを開こうとしたら、かすかに聞こえる二人の声。




この声、先生と英語の真田(サナダ)先生…?




聞いちゃ駄目と思っても、その場に立ち止まってしまった。





「秀人先生、昨日楽しかったですね」




昨日…?




「生徒たちの噂になってるみたいですよ、私たちのこと」


「そうですか」


「今日もどうです?今晩お暇ですか?私素敵なお店見つけたんです。」


「へー。いいですね。」


「ふふ。今晩仕事が終わったら待ってますね。」





昨日の綺麗なモデルみたいな人って真田先生…?



それに今日…。やっぱり、先生





ガチャ




「あら、宮城さん。こんなところでどうしたの?」





準備室から出てきた真田先生に声をかけられてしまった




「…橘先生に、授業でわからないところの質問に…」


「あら、偉いのね。しっかり教えてもらいなさいね。」


「……はい。」


「じゃ、橘先生。また後で。宮城さんもさよなら。」




ご機嫌で去って行く真田先生。




いつもなら女の子には厳しいのに…先生の威力はすごいね。





< 6 / 28 >

この作品をシェア

pagetop