シーツの上のブタ。
オモチャとカメ子とミッチーと。
トラックはあれから50kmちかく走った。景色からも、遠くまで来た事がうかがい知れる。
「なぁ、ブタ。そろそろ煙草吸うのやめてくれない?……俺は兄さんの影響で煙草が大の苦手なんだ。」
ブタさんは煙草を窓の外に投げた。吸い殻は虚しくタイヤの後輪に踏みつぶされた。
ミッチーは無賃で駐輪場に停車させた。
「……普段はこんな無能な奴がしそうな事しないけど、今はどうでも良い。」
ミッチーはトラックから降りた。ブタさんはわずかながら頭の中にダイスケの事を思い浮かべていた。
「ブーブー…。」