ベクトル→
「……そろそろ1限目始めていいかしら?」
そう声をかけてきたのは、今日の1限目である国語の川本先生だ。
50代のオバちゃんである。
担任のかとぅーはSHRを終えて、職員室に向かったのだろう。
「すっすいません!どーぞ始めちゃって下さい!ってアンタも謝れよ!」
「俺はいい。だって椎が発端だし。」
だってじゃねーよ、クソ野郎ーー!!
言い返す気力も失せたため、無言で椅子に座った。
「俺、まだ教科書ないから見せろよ?」
てめー何様だーー!!
ムカつきが絶頂に達したので、私は国語の教科書をヤツの机の上に放り投げ、机に突っ伏して眠った。
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