Sweeeet Voice♥


「えええー、
じゃあ自分家帰ればいいんじゃないんですかー?」



ぷくっと少し膨れっ面。


なんでだろう。

あんな帝好きじゃないはずなのに。


一緒に住んでるって聞くともやもやする…



「んーとね、
あの子。親から虐待されてたみたいで…

なんか、あたしのマンションの階段のところで座ってたの。
初めて見た時はまだ中1ぐらいで。


『どした?』て聞いても黙ったまんまで。

それで、帝。
いつもあたしが一人暮らししてるマンションの階段によしかかってて、

で!いつもあそこにいて家ないのかな?
って不思議に思ったから、一回あたしの家にいれたの。


そしたら突然泣き出しちゃって。

抱きしめてあげたくなっちゃって。

んで『一緒にこの家住んでみない?』て言ったら
少し間はあったけど頷いてくれて、

それで、どんどん心開いてくれるようになっていった。

で、これが帝と住んでる理由。

文句ある?」



嘘だ…


帝のお母さんは
あたしが遊びに行くと

『あら!みぃちゃんいらっしゃい!』

って、微笑んでくれたのに?


帝のお父さんも
『みぃ!今度一緒に釣り連れてってやろうか?』

なんて、言ってくれたのに?


嘘だ…
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