Sweeeet Voice♥
「お前、美咲探してんの?」
不敵な笑みを浮かべて言う父さん。
…俺は何も言えない。
ここで喋ったら母さんまで居なくなっちゃいそうで
怖かった。
「あいつなら、こちらです~♪」
なぜか、父さんは上機嫌。
連れてこられたのは、
押入れ…?
こんなとこにほんとに居るのかな?
そこには、
知らない男とヤッてた母さんがいた。
「どうだ?お互い様だろ?帝。
父さんが悪いわけでも、
母さんが悪いわけでもねぇだろ?」
…俺は、耐えらんなかった。
いつも美琴が来る時は
母さんも父さんも大好きになれた。
でも美琴が帰った瞬間、
こうだ。
「…んぁぅ…」
他の男とヤッてる母さんは甘い声を出す。
「気持ちわりぃんだよ」
俺が発した。
俺の本性。誰にも見せた事がなかった。
中1で空手部そこそこ力もあった。
「あ?」
「キエロ」
バキッ…ボキッ…
俺は狂ったかのように父さんを殴った。
母さんは『やめて!』って言ってた。
そんな母さんまで腹立たしくなって殺す、とまで殴り続けた。
そこで、知らない女と知らない男が入ってきて力ずくで俺を止めてくれた。
きっとここで止められなかったら父さんも母さんも死んでたと思う。
これが俺の宿命なんだ。
やっぱり俺は愛されてねぇんだな。