Sweeeet Voice♥
「ううう、南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏…!
こ、怖いよぉ…ほのかさぁん…」
半泣きになりながらもテレビの音をMAXにし、
自分の声もMAXでかくし、
なんとかこの場をしのごうとした時、
ガタドタドンドンバンッ、
「ひっひえっ…これ以上無理だよ…
…ううっ、帝ぉ…!」
ガチャ。
「ったく、馬鹿じゃねぇの?」
ぱちくり、
ぱちくり、
「はい?」
帝でもなけりゃほのかさんでもない。
てか、窓あいてるっ!?
…昼間景色見た時鍵閉めてなかったんだ。
てかここ3階だよっ!?
…非常階段あるんだけど。
はぁ、ちゃんと
鍵閉めて、非常階段あるの見とけばこんなことには…
「いちいち反応がうるさいっつの、
しかもテレビの音量50とか…
馬鹿じゃなくてアホだな」
てゆーか!ど、どちらさん?
その名前も得体も知らぬ誰かさんに
テレビのリモコンを操作されている。
「あ、あの…」
「あ゛?」
振り向いた瞬間カッコいいと思ってしまった。
少し暗めの茶色でサラサラな髪に、
スタイル抜群、ワイシャツの袖を肘まで上げて、
「あっ、だめ…!」
「はぁ?お前何感じてんの?大丈夫かよ…」
「か、感じてません!ていうか!
なんであたしの部屋にいるんですか!」