森の奥の住人
2匹がやり合っていると親分が
森中にけたたましく
響く声をあげる。
「だ~まれぇ~!!」

その声に
森の鳥が飛び立ち
河童達は
汗がダラダラと
地面に流れ落ちる。

親分は
カワザエモンの
前に立ち
カワザエモンの顔を
舐める様に見る。

「カワザエモン・・・俺も鬼じゃねぇ・・なんで無くしたんだ・・・理由が聞きたい・・」

カワザエモンの前で
アグラをかき座る親分。カワザエモンは
ブルブルふるえながら
途切れ途切れの声で
伝える。

「その・・・頭が痒くて皿を外し・・・頭を洗っていると・・・皿が小川に流されちゃったんです・・・それで・・・ここに流れ着いていると思って・・・来てみたら・・・カワゾウが・・・拾ってくれてたんです・・」
親分は顎に
手をあてながら
カワゾウにたずねる。

「カワゾウが拾ってくれた、そんでもって、それをカワザエモンに渡して、俺の目を眩まそうとし何とかやり過ごそうとしたんだな。カワゾウ・・・間違いは無いな」

親分は
カワザエモンの前から
立ち上がり
カワゾウを睨みつける。
「いや・・・その・・・言葉のあやというか・・・」

カワゾウは
気まずそうに下を向く。
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