森の奥の住人
親分は
頭に血管が浮き出る程
怒った後
ひょんな事を
言い始める。

「なにがぁ!!言葉のあやだぁ~!!しかし・・・ゲンコツと言うのは少し可哀想かな・・・そうだなぁ・・・カワゾウとカワザエモン、おめぇ~ら相撲をしろ。負けた奴が俺にゲンコツされる。でも、ただ相撲をするというのは、つまらない。そこでだ、俺はお前らのおでことおでこの間に拳を置く。それを押し合う。まあ、頭相撲って所だ。どうだ、やるか?」

カワゾウも
カワザエモンも
鼻息を立てながら
答えは一致した。

「カワゾウなんかに負けるわけ無い!!」

「なにを!!一泡ふかせてやるぜ!!」

親分はニヤニヤと笑う。
「決まりだな。カワゾウは東だ。カワザエモンは西だ。さあ、お互い俺の拳を押し合うんだ。はっきょい残った」

試合が始まったとたん
他の河童達が
盛り上がりを見せた。
もちろん
みつるとみずきも
目を輝かせながら
試合の行方を見守った。
「がんばれカワザエモン!!」

「カワゾウ!!カワザエモンになんかに負けるな!!」

両者とも
一歩足りとも
許さず目が血走り
相撲をとっている。
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