幼馴染みの夢
隣のあいつ

「お前さ、ほんと馬鹿。」


今、私を馬鹿にして見下ろした失礼極まりない男。

隣の家の住人。

ひとつ年上の幼馴染み。

違う高校の3年生。

この男、今、寝込んでる私を思い切り馬鹿にして笑ってる。


「雨ん中、ずぶ濡れになって帰ってきて風邪ひいたなんてな、今時、ドラマにもねぇよ。あ、まさか、失恋とか?尚更ありえねぇわ。ほんとばか。」


見舞いに来たのかと思ってたら、全然違った。


「あのゲーム、貸して。」


勝手にゲームが入ってる棚をあさっている。


「これこれ、借りてくな。」


嬉しそうにゲームのカセットをポケットに入れた。


「濂ちゃん。」


「ん?」


近付いてきて、上から覗き込む。


「帰るんならさ、母さんにご飯いらないって言っといて。」


「食わねぇの?」


「ん。」


「食わなきゃ治んねぇぞ?」


「ん。」


「コンビニで傘買えば良かったんじゃね?」


まだ言うか。


「はいはい。」


「クリスマス、サンタさんに傘頼めば?」


「持ってるもん。」


布団を引き上げ、頭までかぶった。





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