幼馴染みの夢
あまりに嬉しそうにはしゃぐ声を聞いていたら、言いそびれた。

ずっと言いそびれていたことを、今日も結局言えずにおわる。


「メロンな。はい、決定。」


「ええ!メロンなの?もっと良いもん買ってよ!」


「メロンで十分。じゃあな。切るぞ?行かなくちゃなんないから。」


「あ……………ごめん。忙しかったんだ?…………ごめん。」


「じゃあな。」


「………………うん。」


いきなりテンションが下がる。

分かりやすすぎ。


「愛?」


「………ん?」


「高校合格おめでとう。」


「……うん。ありがと。」


「じゃあな。」


「うん。またね。」











なかなか言い出せずにいた。

転校する。

仕事がやりやすいように、時間に融通の効く、芸能人がたくさん通ってる高校に。

一度言いそびれたあとは、なかなかチャンスが掴めなかった。






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