幼馴染みの夢
「あ?」


「転校するんだって?」


「………何で知ってんだよ。」


「おばさんに聞いた。」


「あいつ……。」


しまった、と思った。

自分で話そうと思ってたのに。


「いよいよ本格的なんだ?」


「まぁな。」


「凄いね。」


「別に。」


「凄いよ。良かったね。」


「……あぁ。」


「ここから通うの?大変じゃない?」


「たいして変わんねぇよ。電車になるだけ。」


「電車か……。」


「お前、バス、どうすんの?」


「どうもしないよ?」


「痴漢、嫌がってたじゃん。」


「ははっ。大丈夫だよ。そのうちさ、濂ちゃん以上の素敵な人見付けて守って貰うし。」


「そうだな。そうしな。」


「そうする。」


なんだか、気まずい空気に……。


「寝るぞ。」


「あ………ごめん。邪魔して。おやすみ。」


「おやすみ。」


「濂ちゃん…………。」


「ん?」


窓があと数センチで閉まる時。


「仕事、頑張って。」


「あぁ。」


「ごめんね。寝ようとしてたのに。おやすみなさい。」


「おやすみ。」





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