幼馴染みの夢


『飯、食ったか?
メロン、食ったか?
ちゃんと寝ろ。
早く治せ。ばーか(-.-)』












何これ?

ちっとも心配してるようには見えないメール。


『飯、食った。
いっぱい寝過ぎて、腰が痛いぃ!
言われなくても早く治すよ。ばーか。


メロン、今度一緒に食べよ。』







ちゃんと伝わってる。

愛を泣かすやつは俺が絶対ぶっとばす。

見事ぶっとばされたいじめっこ。

あのウィンクにすっかりやられたのか、はたまたひそひそとアイドルスマイルで囁いた誰にも聞こえなかったセリフにやられたのか。

私を知らん顔したのも正解だったよ。

あの日から、彼女達は私を知らん顔しはじめた。

いじめは無くなった。

壊されたり、隠されたり、落書きされることも無くなった。

あのウィンクと、握手と、頭撫でなで………。

そして、とびきりのアイドルスマイル。

びっくりするくらい、何もされなくなった。


入学してすぐに広まった濂ちゃんとの噂。

あること無いことまるででたらめな噂。

転校も、私の入学が原因だと……。

寄って来る人、みんな、濂ちゃんの話ばかり。

黙ってやりすごそうとしたら、ある日、内履きがなくなった。

ジャージが捨てられ、教科書に落書きされた。

みんな黙って見てみぬふり。

普通。

それが普通。

だから、決めた。

泣かない。

絶対、泣かない。

泣いたら負け。

学校にも毎日行く。

どんなことがあったって、私は私なんだから。

誰でもない。

濂ちゃんでもない私なんだ。




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