幼馴染みの夢
最初のうちはちょこちょこ届いてたメール。
今じゃ、五ヶ月前の日付のまま。
一向に新しくならない日付。
『ゲーム、おばさんに預けといたよ。寮に持ってったほうが出来るかなって思うし。仕事、頑張れ。』
たどり着かなかったメール。
新しいアドレスを知らせるメンバーに、私は入らなかった?
今、濂ちゃんの側にいるのは誰なんだろう。
テレビで笑う姿。
ただの視聴者に過ぎない私は、少し痩せたアイドルを見つめるのが精一杯。
心配する資格も私には無い。
誰か心配してくれる人はいる?
「お前ってほんと馬鹿。」
馬鹿な私には、もう、濂ちゃんは遠いよ。
『早く帰ってこーい!』
届かないメールを送信してみては、返ってくるメールに溜め息をつく。
宛先不明で返ってきたメールでいっぱいの送信box。
「ほんとにただの隣の家の人だよ。」
開かないカーテンを見つめながら、きっと二度と開くことは無いんだろうな……なんて想ってみる。
濂ちゃんの未来に、私は居ない。
それが、今の私にわかるたった一つの真実。
忘れるよ。