幼馴染みの夢
「濂ちゃん……?」


追い越していくタクシーの窓に少しだけ見えた横顔。

あと少しで家に着く。

帰って来たの?

自然に笑顔になる自分。
思わず駆け出している自分。

やっぱり、逢いたかったから。

やっぱり、忘れられないから。

タクシーを追い掛けた。










「濂……………ちゃん?」


タクシーから降りた濂ちゃんの後ろに続く影………。

嬉しそうに見つめあう二人。











とっさに隠れる私。










走っちゃって馬鹿みたい。










来た道を戻った。

別に用事はないけれど、とにかく来た道を戻った。

心臓がバクバクした。その奥の奥が、ぎゅっと締め付けられて…………









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