幼馴染みの夢
愛には、弱い俺を見せたくなかった。

俺は、愛を守る。

愛を泣かすやつはぶっとばす。

そう決めたから。






















まずは自分がちゃんとしなくちゃ。











俺は、そう思っていた。

俺は、自分がちゃんとしなくちゃ、愛を守れないから。










それなのに、いつのまにか、自分に精一杯になっていった。

愛を振り返る余裕はどこにも無かったんだ。










弱音をはきたくなかったから、知らせなかった新しい携帯の番号とアドレス。








そんなもの、なくたって、俺たちはずっと一緒だと思っていた。










放り出したわけじゃない。


勝手に大丈夫だと思ってしまった。










平気だと思って…………









わざと、離れることを選んだ。

不自然なこの行動が、こんなにお前を苦しめているなんて知らなかった。





俺も、自分に負けそうだったから。

だから………










逢いたくて、笑顔をみたくて………










でも、そんな気持ちを隠すことが、その時、俺に出来る精一杯だったんだ。







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