幼馴染みの夢
凛が溜め息をついた。
「おやすみ。」
集合場所になった憂樹と真樹のホテルの部屋。
バタン
と、戸の閉まる音が響いた。
残された五人。
全員が、大きな溜め息をついた。
「冬馬?大丈夫か?」
歯を悔い縛る冬馬に声をかけた。
「……………ごめん…。」
真面目な彼は、気の抜き加減がわからず、必死なあまり、テンパっていろんな手順がすっとんだ。
そのせいで、俺たちはもちろん、スタッフにも迷惑をかけた。
冬馬に限れば、油断ではない。
でも、結果、ミスはミス。
今まで、何かとフォローしてきた凛も、今日はさすがに無理だった。
冬馬のソロで始まる曲前、一人、ステージ下に降りていった。
一人で猛ダッシュ。
呆気にとられるスタッフを完全無視。