幼馴染みの夢
「凛、良いか?」
少しして開けられたドア。
「中、入れて?」
部屋の中に戻る凛の後ろを付いていく。
トレーニングをしていたであろう床に敷かれたマット。
冷蔵庫から、ミネラルウォーターを取りだした凛が切り出した。
「冬馬は?」
この男が一番心配してるのはみんながわかってる。
反省しているのも。
「俺のベッドに寝かせた。」
「そ。」
「だから、このベッド、俺のね。」
冬馬が眠るはずのベッドに腰かけた。
「なぁ、凛?」
俺に背中を向けて自分のベッドに腰かける男。
「俺たち、大丈夫だよな?」
始まったばかりの俺たち。
全員が、希望と夢ばかりじゃない事に、疲れ始めていた。
いろんな要素が絡まり、ミスがミスを呼ぶ。
「大丈夫だよ。」
空になったペットボトルを握り潰した。
「絶対、大丈夫。」
自分に言い効かせるように呟いた。
きっと、一番辛いのは凛。
全ての責任を背負い、メンバーを守ることに必死なリーダー。
「大丈夫だよ。凛。」