幼馴染みの夢
「関係ないから。」
胸が張り裂けそうに痛かった。
「楽しかったです。すごく。」
「濂、頑張ってたでしょ?」
「はい。すごく………。」
「愛ちゃん、大丈夫?」
「……え?」
心配そうに私を見る。
でも、すぐに笑顔に戻った。
「ううん。気を付けてね。迷子になっちゃう。ここ、真っ直ぐ行けばエレベーターだからね。」
「はい。」
優しく笑って私を見下ろした。
あぁ、素敵だな。
そう思いながら、もう一度頭を下げ、廊下を歩いた。
電車での帰り道。
隣ではしゃぐおばさん。
相槌を打ちながら、濂ちゃんの言葉が頭の中で繰り返された。
私の人生はまだまだこれからのはず。
なのに、全てを否定されたみたいで、どうすれば良いのかわからなかった。
私が知ってる濂ちゃんではなくなった。
わかったのはそれだけ。